〈目次〉
・必要書類
企業内転勤ビザとは
在留資格「企業内転勤」は、外国法人の職員がその日本子会社に転勤してくる場合などに取得可能なビザです。
担当する業務内容は、「技術・人文知識・国際業務」を行うことが条件となるため、
たとえグループ間の転勤であったとしても、単純労働は認められません。
ただし、その一方で、「技術・人文知識・国際業務」の場合、
大卒や、実務経験がある、といった要件を満たしていなければいけないところが、
企業内転勤であれば、学歴は求められず、海外の支店等で1年以上の勤務経験があれば認められます。
海外支店に優秀なスタッフがいるが、「技術・人文知識・国際業務」の要件を満たすことが難しい場合は、
「企業内転勤」も視野に入れましょう。
転勤の範囲
「企業内転勤」と認められている移動の範囲は以下になります。
・同一企業の本店(社)と支店(社)・営業所間の移動
・親会社と子会社間の移動
・親会社・孫会社間や子会社・孫会社間の移動
・子会社間の移動
・孫会社間の移動
関連会社への移動もありますが、
「財務や事業方針の決定に重要な影響を与えられる」程度の関係が求められるため、
単に取引があるだけでは不十分ですので注意が必要です。
取得するために必要な要件は何?(2026年4月改正対応)
企業内転勤ビザを取得するためには、次の要件をクリアする必要があります。
①1年以上勤務実績があること
外国法人で、1年以上勤務していることが求められます。
★ポイント★
- 「直近1年間」である必要があります(過去に1年在籍していただけでは不十分)。
- この1年間の業務は、「技術・人文知識・国際業務」に該当する専門的な内容である必要があります。単純労働としての勤務期間はカウントされません。
- パートタイムでの勤務期間は原則として認められません。
②担当する業務が、単純労働ではないこと
転勤前(一年以上の勤務期間中)、及び転勤後も、
「技術・人文知識・国際業務」に該当する仕事をしていることが求められます。
★ポイント★
- 認められる業務例:営業、経理、マーケティング、法務、広報、生産・品質管理、貿易業務、通訳・翻訳、デザイン、IT技術者、CADオペレーターなど
- 認められない業務例:工場での単純作業、建設現場での労務、清掃業務、飲食店での調理補助・ホール接客など
仮に「研修」名目であっても、実態が単純労働の場合は許可されません。
③日本人と同等以上の給与が支払われること
外国人と日本人が同じ業務を行う場合、外国人の給与は日本人と同等以上とされています。
外国人だからといって、給与を低くすることは禁止されています。
給与の支払いは日本国内の法人でも、海外の法人でも構いません。
★ポイント★
- 給与の支払いは日本国内の法人でも、海外の法人でも構いませんが、総額で日本人同等以上である必要があります。
- 最低でも月額約20〜25万円以上が実務上の目安です。
- 住宅手当などの諸手当は「報酬」に含まれない場合があるため、基本給で基準を満たすことが望ましいです。
④転勤(出向)期間が決まっていること
期間の定めがない勤務(長期に渡る勤務)は対象とはなりません。
必ず、転勤期間を定めておく必要があります。
★ポイント★
- 当初の転勤期間は明確に定められている必要があります(例:〇年〇月〜〇年〇月)。
- 更新により在留が長期化する場合、なぜ長期の滞在が必要なのかの説明が求められるようになっています。
⑤【2026年4月1日以降 新要件】海外事業所・日本事業所の実態証明
2026年4月1日以降、以下の書類の提出が必須となりました。
海外の送検出元事業所に関する書類:
- 公的機関が発行する法人登記証明書など
- 事業実態を示す書類(納税記録、取引実績、船荷証券(B/L)、輸出入許可証、広告物など)
- 過去1年間の社会保険加入証明や戸口簿等の公的書類
日本の受入先事業所に関する書類:
- 不動産登記簿
- 事務所の写真
- 間取り図
★ポイント★
- これまでは書類が求められないこともありましたが、2026年4月以降は必須書類となりました。
- いわゆる「ペーパーカンパニー」や実態のない事業所からの転勤は認められなくなります。
- 「実体証明の3層構造」(経済的実体・法的実体・物理的空間)の証明が必要です。
⑥【2026年4月以降 審査強化】受入機関のカテゴリーに応じた審査
企業内転勤ビザの申請・更新では、受入機関(日本側企業)のカテゴリー分類(1〜4)に応じて、必要書類や審査の厳格さが異なります。
カテゴリー4に該当する場合の注意点:
- 事業の安定性・継続性を証明するため、詳細な事業計画書が求められます
- 財務状況や取引実績について、より詳細な説明が必要となります
⑦【2026年4月以降 新要件】労働条件通知書の必須化
これまでの転勤命令書や辞令に加え、労働基準法第15条第1項に基づく「労働条件通知書」の提出が必須となりました。
★ポイント★
- 日本の労働法規に完全に準拠した書面化が必要です
- 給与、勤務時間、契約期間などの労働条件を明確に記載する必要があります
⑧【更新時の最重要ポイント】実質的な雇用主体の確認
更新審査では、「現在も企業内転勤としての前提が維持されているか」が重点的に確認されます。
特に以下のような場合は注意が必要です:
【転籍・雇用主体の変更】
雇用契約が日本法人に切り替わっている、給与が日本法人からのみ支払われている場合、企業内転勤の前提(本国企業所属のまま転勤・出向)と整合しない可能性があります。この場合、「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更を検討する必要があります。
【出向契約・支払主体の変更】
- 給与の支払主体が変わった
- 出向契約が更新されていない
- 出向期間が曖昧
これらの場合は、「企業内転勤に該当するか」が論点になります。変更理由と現状を書類で説明できるようにしておくことが重要です。
【法令遵守の徹底(更新時に最も重要)】
- 住民税・所得税の納税状況:未納がある場合、即座に不許可(帰国)となる致命的なリスクがあります
- 社会保険の加入・納付状況:未加入・未納は重大なコンプライアンス違反です
- 住所の一致:住民票と在留カードの住所が一致している必要があります
必要書類
必要書類に関してはこちらをご確認ください。
・初めて日本に呼ぶ場合は、こちら
・すでに他のビザで日本にいて、企業内転勤ビザに変更する場合は、こちら
・企業内転勤ビザを更新する場合は、こちら
手続きの流れ

